仕事のし過ぎで足を痛めた話。(後編)

【前回までのあらすじ】


お盆休みにぐうたらしすぎてなまった身体のまま、

週明けに立ちっぱなしの仕事を10時間以上×4日したら見事に身体がイカレて、

帰宅後全く身動きができないほど辛い状況に。


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帰宅途中の電車の中で、母と連絡をとっていた。

足の不調が不安だったし、誰かに話しておきたかったんだと思う。


この時、足は痛かったがまだ呑気に、整骨院に行けば多少良くなるだろうと構えていた。



整骨院でほとんど改善されずに帰宅したあと、身体が全く動かせず更に不安になった私は、

文字を打つのも気がすすまなかったので、母に電話をすることにした。


腕以外の身体を動かすことがほぼできないので、着替えもままならない。


母と話す声のトーンはまだまだ呑気で、あははと笑ってはいたが、内心かなりビビっていた。


「足がこのまま痛くて歩けなかったらどうしよう」

「家族に合鍵を渡してもいないから助けも呼べない」

「救急車を呼んだとしても、鍵がかかっているからまず鍵をぶっ壊さないといけない→色々費用が莫大になるのでは、、」

「そもそもトイレに行けない」

「下半身不随になるのでは、、」


色々な不安が過ぎり、母に半分泣き言のようにこぼしていた。

食事をしていないので、トイレ以上に食べ物が欲しかったし、食べる気満々だったのに、台所に立つこともできない。


ついに気力も体力も失せ、幸いベッドにあったリモコンでやっと電気を消して、気を失うように眠りについた。




朝5時15分、アラームで目を覚ます。


昨日母と話していて、会社に行くのは無理だと判断していたので、しばらく今日の計画を立てていた。


整骨院は自分の症状を治す場所ではなかった。

整形外科に行こう。


しかし、行ける範囲は市内が現実的。

まして昨日ほとんど歩けない状態だったので、タクシーの利用も視野に入れなければならない。

グーグルで近隣の整形外科を探す。


一軒見つける。700m圏内。いいじゃないか。

?、マップの下にこの医院のレビューがあるぞ、見てみよう。


★☆☆☆☆(6件)

「院長の対応がそっけない」

「説明が不親切」、、、


、、、、。


さらに、自分の症状を調べたときに、ネットにはMRIで見て貰った方がいいと書かれていたが、この施設にはその設備が無く、

「ここに行って本当に大丈夫なのか?」


と不安がよぎる。

ただでさえ整骨院で失費しているので(自分が選び間違えただけで、整骨院は悪くない)


できれば選択ミスをしたくない。


しかしほかの場所は電車でいかなければいけない距離ばかり。

最悪痛み止めと湿布くらい出して貰えたらあとはいいかな程度に考えていた。


午前8時、会社に電話をする。

仮病を使ったときよりよっぽど声が元気でハキハキとしている自分。むしろ不自然だ。


前日から痛かったこと、

整骨院に行ったが全くだめだったこと、

今日整形外科に行くので休みたい旨、


淡々と伝えて終話。

ちなみに仮病も合わせると、今年3回目の欠勤となる。

今年入社したばかりのくせになかなか休みがちな新人であるがまあよい。


ちなみにこのときには、トイレに立てるくらいまでには回復していた。

これで何とか病院には行けそうだ。


昨日から渇望していた食事にもありつけた。

食材もほぼ野菜などは切らしていたので、簡単に力うどんを作る。


午前10時、支度をして整形外科へ向かう。

幸いこの日は給料日だったので、初診料も怖くない。

歩くと少々違和感があるが、昨日とは段違いに歩ける。


院内に入ると、5、6人ほど待合に人が居た。

受付の女性が丁寧に対応してくれて、ほっと胸をなでおろす。

だいぶ待つことを想定していたので、のんびりと持参した本を読んで待つことに。


15分くらいで診察室に呼ばれる。

(意外と早かったな、、)


お会いした院長は、キリッとした顔立ちのクールな人だった。

けっこうダンディ系で、大学時代のフランス語の教授に似ていて親近感がわいた。


レビューが散々だったのでかなりビビりながら院長の前に座った。

「どうされました?」

「足が痛くて、、、」


2、3問診を受け、診察台で触診を受けることに。


レビューにあった素っ気ない感じとは違い、簡潔な人だなという印象だった。


足を曲げ伸ばしし、どこが痛むのか確認をしたあと、

レントゲン室へ案内される。

レントゲン技師の方が親切に案内してくださった。


あとで思ったが、診察室・レントゲン室・リハビリブースそれぞれに行くように促される際に、

担当の方が迎えに来てくれてそのまま案内されるのでかなりスムーズで、

この医院は連携がきちんととれていて無駄がないなあととても感心した。


ちなみにレントゲン技師の方もリハビリブースの看護師さんも、みんな優しくてホスピタリティ溢れる人ばかりだった。

それは痛みで参っていた私には大変嬉しく、かなり居心地が良かった。


レントゲンの結果は、腰の下の骨2本の間が狭まっていて、ヘルニア手前の状態であり、

そこからくる坐骨神経痛らしいということが分かった。


電気治療をうけ、予想通り鎮痛剤と湿布薬を処方され、病院を後にする。


外に出ると雨がぱらついており、折りたたみ傘をのんびり出そうとぼけっとしていたら、

ちょうど同じタイミングで出てきたご婦人が


「そこ(処方箋薬局)まで一緒にいかれます?」

と自分のさした傘を指し、一緒に入れてくれるそぶりをしてくれた。


私はまごまごと傘を出してお礼を言い、ご婦人も「あら、お持ちなのね良かった」と笑顔で去って行った。ご婦人は薬局とは別方向に歩いていった。


なんて素敵な人なんだろう。いいことありますように。と思わず後ろ姿に願った。


さて、その後も親切な薬剤師さんから処方薬を受け取り、無事に上司に診察結果を報告し、

軽い足取りでサーティワンアイスクリームを食べに行き(ポッピングシャワーが大好き)

更に調子にのりカラオケまで行き、その日を終えた。


さて、永遠だと思っていた足の痛みは、電気治療のおかげか、鎮痛剤のおかげか、はたまた1日仕事をしなかったおかげなのか、

ほぼなくなっていた。


ただ、立ち仕事が長時間続くと、今後の仕事の仕方を変えなくてはいけなくなるので、

まだまだ油断はできない。


とりあえず土日はゆっくり休み、寝たきりにならず適度に立ったり歩いたりしつつ、

週明けに備えようとおもう。


普段足腰を痛めたこともないし、骨折などのケガも経験がなかったので、

身体を動かせないことへの不安、一人暮らしが体調不良に陥った際のリスクなどを改めて思い知った一週間だった。


また、かかる病院施設などももっと知っておく必要があるとも感じた。


これからは、健康に気を遣いながら、仕事と私生活をうまくやっていきたい。


ではこの辺で。